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歯の豆知識

2019年01月23日

歯の豆知識、第2回目は歯周病についてです。

 

みなさん、歯周病はご存知でしょうか。よくテレビで歯槽膿漏と言って、熟れたトマトを歯茎にたとえたCMを見かけましたよね(最近もまだ流れてるのでしょうか?)。歯槽膿漏のことを、歯周病と呼びます。

あのCMのトマトのように、歯そのものは健康でも歯の周りの歯肉(歯茎)が腫れて(ジュクジュクのトマトのように)、さらには歯を支える顎の骨が溶けていってしまうのが歯周病です。

 

むし歯であれば、歯が黒くなったり、穴があいたり、あるいはしみたり痛かったりと分かりやすい症状が出てきます。しかし、歯周病の怖いところは、そういった分かりやすい症状が出ないことです。痛みがなく進行するので、気が付いた時にはもうかなり進んでいた、ということも多いです。

 

歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌(歯周病菌)によって引き起こされます。歯垢には1mg中になん億もの細菌が生息していて、その中に含まれる歯周病菌が出す毒素が歯肉に炎症をもたらします。

歯周病の初期段階では歯肉が赤く腫れて、ブラッシング時に血が出てきます。

症状が進むと次第に歯を支える骨が溶けてきて、歯がグラグラしてきます。

また歯周病特有の口臭や歯肉からの排膿も認めるようになります。

 

一度歯周病で失われてしまった顎の骨は、基本的にはもう元には戻りません。

それ以上歯周病が進行しないように、顎の骨が溶けないように、しっかりと歯周病治療を行い、その後の再発を抑える予防をしなくてはいけません。

 

歯周病治療の流れの説明をします。

まず歯肉と歯の間の溝(歯肉溝)の深さを測る検査を行います(歯周基本検査、歯周ポケット測定)。プローブと呼ばれる器具を使い、1歯1歯の歯肉溝の深さを計測します。健康な歯肉は溝の深さが3ミリまでで、4ミリ以上の深さがある歯肉は歯周病と診断されます。また、健康な歯肉であれば、プローブを歯肉溝に入れただけでは出血しません。しかし、歯周病で歯肉が腫れている場合は、少し触っただけでも出血してきます。歯科医院でよく3ミリ、4ミリ、2ミリと衛生士さんが行っているのを聞くと思いますが、この歯周病の検査をしているんですね。

レントゲン撮影をするのも歯周病診断の有効な検査です。顎の溶け具合(骨吸収)を見るために、顎全体のレントゲンや、1歯1歯のレントゲンを撮影します。

歯の磨き残しも歯周病に関係してきます。磨き残しが何パーセントくらいあるかを検査していきます。

これらの検査をすることで以下のようなレーダーチャートに歯周病のリスクが反映されてきます。

また、当院ではOHISという歯周病リスク評価のシステムを導入しています。

過去・現在・未来の歯周病のリスクをわかりやすくお伝えすることが可能です。

 

検査で現状とリスクを把握し、歯周病治療に進みます。

歯周病治療で大切なことは2つあります。まずはご自身の行うセルフケアで可能な限り磨き残しを少なくすることです。歯ブラシだけでは不十分で、フロスや歯間ブラシの併用が必要です。歯科衛生士がブラッシング指導を一所懸命行うのは、セルフケアがしっかりしていないと歯周病(あるいはむし歯)がどんなに何回も歯科医院に通っていても治らないからなんです。もう一つは、我々。歯科医師や歯科衛生士が行う歯石とりです。歯肉より上についている、見える歯石を除去するのはもちろん、歯肉の下にある歯石も器具を使って触知によって調べたり、レントゲンで確認したりしながらしっかりと歯石とりする必要があります。

 

ブラッシングの状態が改善し、歯石を綺麗にとり終えた後にもう一度歯肉の溝の深さを測り、改善を認めた後に、何ヶ月毎の定期メンテナンスで現状を維持します。

 

歯を支える顎の骨は、家で言えば基礎、いわば土台です。基礎が手抜きの家はどんなに豪華な素晴らしい建築物が建っても、すぐにぐらついてダメになってしまうでしょう。お口も同じです。歯を支える土台の骨、歯肉の状態をしっかり健康なものにしていかないと、素晴らしい被せ物やインプラントを入れたところで長持ちしないのは明白です。

歯周病治療、予防は健康なお口、そしてその先にある豊かな人生、思いっきり笑えて、なんでも食べれる楽しい未来を獲得する第一歩だと思います。

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